

はじめまして。塾講師・教育系YouTuberのみたかです。横浜国立大学建築学科に入学し、6年間建築を学んできましたが、勉強を教えることが好きすぎて、授業動画をYouTubeに投稿をはじめ、今は藤棚デパートメントというシェアキッチンで自身の学習塾を運営しています。
「勉強は分かると楽しい!」をモットーに、学ぶことの楽しさを生徒に伝えるために日々奮闘しております。

学習塾というのは基本的に子どもたちが学校に行っている間は使われません。
藤棚デパートメントは、昼間はシェアキッチンを借りてお店をやりたい人たちで賑わっていましたが、夜の利用は比較的少ない状態でした。逆に学習塾としては夕方以降に利用したいので、都合が良く、夜に利用させていただいていました。塾開業当時は学生で開業資金が全くなかったのですが、この場所を使わせてもらうことで自分の塾を小さく始めることができました。
シェアキッチンを借りて塾をやっている状態でしたが、逆ができたらとても面白いなと考えるようになりました。つまり、夕方は塾にして、昼間の使われない時間を、シェアキッチンや地域交流拠点として開放できたら、とても良いのではないかと考えました。

そんなことを考えていた頃、私が住んでいた地域である常盤台・釜台地区では大変なことが起こっていました。この地域は、横浜国大の西門を出てすぐに位置する場所で、多くの横浜国大生が住む場所でもあります。
私も横浜国大に進学し、上京してからこの地域に長く住んでいます。
かつてはバス通りである大池道路沿いに多くの商店で賑わっていた商店街で、(常盤台・釜台の二つの台をとって)二つ台商店街と呼ばれていました。
時代とともに商店の数は減っていきましたが、私が大学に入学した時点では、お肉屋さん、そば屋さん、焼肉屋さん、定食屋さん、カレー屋さんなどがまだ現役で残っていました。

しかし、2023年に店主の急逝や後継者不足などによりお肉屋さん、そば屋さん、焼肉屋さん、定食屋さん、カレー屋さんが相次いで閉店してしまいました。
まだまだ人も多い地域にも関わらず、シャッターが閉まってしまった建物ばかりとなってしまい一気に寂しい雰囲気のまちとなってしまいました。
横浜に住んでいる方はご存知の通り、横浜は坂の多い街です。この地域も常盤台・釜台という名前から分かるように高台に位置する町です。横国生は、大学へ行くことを「登山」と呼んでいます。
高台の上のお店が無くなってしまったので、急峻な坂を登り降りしないと飲食店・カフェすらないという地域となってしまいました。人々がふらっと集まれる居場所が不足しています。
これはまちづくり協議会によるアンケートとワークショップの結果ですが、実際に「居場所がない」「居場所が欲しい」という声が多く集まっています。

二つ台地域で閉店してしまったお店の一つである「二葉屋精肉店」を改修し、生まれ変わらせようと考えています。
このお肉屋さんは、商店街の谷間に位置し、間口が広く、赤い看板と庇がシンボルの、この地域で知らない人はいない、いわば地域のシンボルのようなお店でした。
このお店のシャッターが閉まっていると、活気が感じられません。
そこで今回のプロジェクトでは、このお肉屋さんを対象として、昼間はシェアキッチンやシェアスペースに人が集う場として、夜間は子供たちが勉強する塾として機能する、複合的な地域拠点に生まれ変わらせたいと思っています!

お肉のミート(meat)とたくさんの人が出会うミート(meet)をかけて二つ台みーとみーとと名付けました。

私は藤棚デパートメントというシェアキッチンで塾事業を始め、自分の好きなこと、得意なことで生計を立てていくことができるようになりました。シェアキッチン・シェアスペースは場所は誰もがやりたいことにチャレンジできる場所です。こんな場所を私たちも作っていきたいです。

また、この地域は飲食店などが一切ない地域です。カフェなど気軽に立ち寄れる場所もなく腰を下ろす場所もないです。この場所にシェアキッチンができて、日替わり・週替わりで色々なお店が入るようになり、地域に彩りが生まれたらいいなと思っています。

そして、学びの場を絶やさない
「学習塾」としてだけでなくシェアスペースで教える⇔学ぶができる場所になれたらいいなと思っています。

今回のプロジェクトに多くの人が興味を持ってくれたため、横浜国大の学部生から大学院生、地域住民の方など多くの人が関わってくれるようになりました。

今後は、このメンバーでこの地域を盛り上げるための活動をしていきたと考えています。現在もメンバーを募集していますので、興味がある方はぜひ声をかけてください!

今回、シェアキッチンを整備するにあたりヨコハマ市民まち普請事業に応募することにしました。
ヨコハマ市民まち普請事業とは、横浜市民が主体となって行う地域の課題解決や魅力向上のための施設整備を伴うまちづくりに対して横浜市が支援を行う事業のことです。
具体的に何を支援してくれるかというと、まずは最大500万円の助成金です。この制度の素晴らしい所は、助成金を与えるだけでなく伴走支援(職員が打ち合わせに参加・まちづくりコーディネーターの派遣など)がある点です。
1次コンテスト・2次コンテストを経てどの団体を支援するかが決まります。

1次コンテストが2024年7月21日/2次コンテストが2025年1月26日にありましたが、なんと14団体中1位で合格することができました!!
「学習塾 × 地域交流拠点」という新しい視点が評価されました。また、地域の方もメンバーとしてコンテストに参加していたことや、学生メンバーの熱い最終アピールのおかげで、高い評価を得ることができました。

耐震改修工事のためのクラファン実施
旧二葉屋精肉店は1981年以前に建てられた建物です。耐震診断を行なったところ、やはり現在の耐震基準を満たしていませんでした。

そのため、耐震補強を行う必要があります。しかし、まち普請事業の補助金は、耐震補強に使えません!
クラウドファンディングでは、耐震補強に必要な資金を集めました!
地域の人と、塾に通う子どもたちの安全を守るため、耐震工事は施設を作るうえで必須です!
クラウドファンディングにご協力ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございました。

「塾×地域交流拠点」今までにない交流施設の可能性
学習塾は地域の子どもたちが集まる場です。シェアキッチンがあることで、勉強を頑張る子どもたちに地域の人たちが夜食を作ってあげて、子どもたちを支えてあげる、このような交流の仕方などが考えられます。共働きで夕飯の準備が難しい家庭も多いので地域で支え合う仕組みを構築できる可能性があります。
自治会やコミュニティハウスなど地域の交流する拠点は多くありますが、どうしても特定の年代やグループに偏ってしまいがちです。
塾と地域交流の場が組み合わさることで今までにない地域の交流施設ができるのではないかと考えています。
また、子どもたちは地域の次の未来の担い手となっていく存在です。地域と子どもたちがつながるような仕組み作りを考えていきたいです。
地域交流拠点の新しい在り方

「まちの居場所」「まちの交流拠点」「コミュニティカフェ」のような交流の場が、近年、各地で開かれています。コミュニティセンターのような公共施設と比べれば小規模でささやかな設えとなりますが、運営者の努力と創意工夫で地域の日常的な居場所となっています。しかし、そのような場所を継続して運営していくのはとても大変です。
みんなの場所という社会性を持ちながら、継続のための経済性も必要で、そのバランスがとても難しいのです。

今回のプロジェクトは、学習塾と地域交流拠点が共存することで、場所を有効活用し、家賃などの維持費を負担しあうことで継続性を高めることを可能にしています。
このように、今回のプロジェクトが新しい地域交流拠点の一つのモデルケースとなることを期待しています!
二つ台みーとみーと 代表 西村実貴